「大麻」とは「大いなる麻」の略語です。良質の繊維や油が取れ、医療分野でも活用が期待されています。

行政訴訟

中山大麻行政訴訟

中山康直氏は2012年2月24日、東京都に対して行政訴訟「大麻栽培者免許不許可処分無効確認請求事件」を起こしました。
日本の歴史上、大麻取締法が制定されてから初めてのケースです。
初公判は、4月20日に行われました。

原 告      中山 康直
 代理人    丸井 英弘
 代理人    森山 大樹
被 告     東京都 (処分庁 東京都知事)


請求の主旨(裁判所に示して欲しい結論)

被告が、平成11年3月31日になした大麻栽培者免許の不許可処分は、無効であること。


請求の原因(主張(請求)を理由づける原因) ※訴状より抜粋


被告の処分とその理由

被告(東京都知事)は、原告が平成11年3月4日付けで申請した大麻裁判者免許の申請に対して、平成11年3月31日、不許可処分をした。その理由は、次の通りである。

「あなたの申請内容は、以下のとおり、大麻栽培者免許を付与する十分な合理的理由が認められません。
大麻草の栽培関しては、大麻取締法の前身である「大麻取締規則」及び「大麻取締法」の制定時点において、大麻草を原料とする繊維等に用いられていたことから、その需要に応じるため、栽培に関する一般的禁止を特別に解除して、これらに係る農家を対象として免許を与えることができることとされたと解することができます。
この観点から、大麻栽培者として免許を交付し得るのは、現に社会的に相当な有用性のある需要に基づいて、大麻草を栽培する必要がある場合に限るべきものと解することが大麻濫用の防止、保健衛生上の危害防止を目的とする大麻取締法の趣旨に合致するものと思料します。
よって、あなたの場合は、以上の要件に該当しないことから、大麻栽培者の免許を与える十分な合理的な理由は認められず、免許を与えることは適当ではありません。」


本件処分の無効理由

無効理由1

本件処分理由は、大麻草の栽培免許を与える対象として、麻栽培農家に限定しているが、大麻取締法ではこのような限定は一切ない。
現実に原告(中山康直氏)は、麻の栽培農家では無かったが、産業用のTHC成分を含まない麻(CBDA種)の品種固定などの研究開発をするという理由で平成9年から平成14年まで6年間大麻草の栽培免許を静岡県知事から受けていたのである。

無効理由2

本件処分理由で次のように述べている。
「この観点から、大麻栽培者として免許を交付し得るのは、現に社会的に相当な有用性のある需要に基づいて、大麻草を栽培する必要がある場合に限るべきものと解することが大麻濫用の防止、保健衛生上の危害防止を目的とする大麻取締法の趣旨に合致するものと思料します。」

しかし原告は、平成10年にしずく石麻の会の会長である小田晴代氏から「今いずく石麻の会では織物に使用するよりよい麻の種を求めています。よりよい種があればこれからの織物に利用巾が広がると思います。ぜひ麻の種の開発をお願いいたします。」との要望をうけ、同じく平成10年に美麻村の北沢総務部長(後の村長)から「農業・産業振興に役立つ薬理成分の少ない麻種子の開発についての依頼」を受けていたのであるから、原告は、本件処分理由でいっている「現に社会的に相当な有用性のある需要に基づいて、大麻草を栽培する必要がある場合」に該当することが明らかである。

また、1961年の麻薬に関する単一条約の28条2では、「この条約はもっぱら産業用の目的―繊維及び種子に限る―または、園芸用の目的のための大麻の栽培には適用しない」とされており、日本も1964年7月13日にこの条約を批准しているので、産業用と園芸用大麻の栽培は、大麻取締法の規制対象外と考えるべきであり、少なくとも大麻取締法第5条2項の免許の欠格事由がないかぎり、産業用と園芸用大麻の栽培については、無条件の栽培の免許を与えるべきである。

無効理由3

本件処分理由では、「よって、あなたの場合は、以上の要件に該当しないことから、大麻栽培者の免許を与える十分な合理的な理由は認められず、免許を与えることは適当ではありません。」と結論のみ述べており、具体的に原告の大麻草栽培免許の申請理由について何らの検討をしていないことが一見して明らかである。


無効確認を求める法律上の利益(本案判決が下される必要性)

1. 原告は、平成23年12月20日「自宅でみだりに大麻を所持した」として大麻取締法違反で公訴提起された。そして平成24年2月7日に開催された第1回公判で原告は次の主張をした。

被告人は、みだりに大麻を所持していたのではない。
中山氏は、1997年に静岡県において大麻栽培者の免許を取得してから6年間,大麻取扱者として産業用大麻についての有益性の調査研究を行っていた者である。
その後は,自主的に栽培者免許を静岡県に返納した上で,伊豆大島での免許申請をするために今まで準備をしてきたのである。
栽培者免許を取得しても産業用大麻の種子がなければ上記調査研究を続けることは困難であり、種子を配給する機関は存在せず、年数が経つと種子の発芽率が低下することから、自らが有する種子を殖やすために必要最小限の大麻を栽培して所持したのである。
このように,大麻取扱者であった中山氏は、伊豆大島で栽培者免許を取得する準備をしている間に、必要最小限の範囲で大麻を所持したのである。
したがって,中山氏は免許申請して免許を受けるまでの間大麻を所持していたのであって、大麻所持が許されるべき社会通念上正当な理由があるといえる。

2.本件処分の無効が確認されれば、原告は、大麻栽培免許申請中だったということになり、上記「大麻取扱者の相続人及び清算人が免許を申請してその免許を受けるまでの間、大麻を所持することが許されるのであれば、自主的に栽培者免許を返納して他の場所での免許申請を予定していた大麻取扱者であった者も同様に免許申請して免許を受けるまでの間は大麻を所持することが許されると考えるべきである。」という主張を強く裏付けることができるのである。


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