仙谷 由人 様
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丸井 英弘(弁護士)
この度は、内閣官房長官のご就任おめでとうございます。
私は、司法研修所26期で第2東京弁護士会所属の弁護士の丸井英弘です。
仙谷さんとは今から36年程前私が弁護士になった当時お会いしていますが、覚えておいていただければ、嬉しいです。お久しぶりです。
私は、弁護士2年目の1975年に大麻取締法違反事件を担当し、現在まで35年間多くの大麻取締法違反事件を担当してきました。
私は、弁護活動を通じ、また1980年2月には、オランダのアムステルダムで開催された第一回大麻解禁国際会議に参加をして諸外国の研究者達の報告を聞いたり、現実に大麻の個人使用が認められているオランダの実情を見聞して、大麻取締法は個人の趣味嗜好、思想良心の自由の根底にある意識変容の自由を規制するものであると確信し、一貫して、大麻を刑事罰で規制することの不合理性を訴えてきました。
特に、大麻が縄文の古代から日本人に親しまれてきた麻のことであり、また昭和27年までインド大麻草が薬局方に喘息や不眠症の薬として収載されていたこと、さらには、麻から紙ができ正倉院には麻の紙に書かれた1000年以上まえの仏典が残っていること、そして第2次大戦前の様に日本全国で麻の栽培を復活すれば、 熱帯林を輸入する必要性もなくなり、人類にとって貴重な森を守ることができる事を知り、大麻取締法の廃止が私の弁護士としての基本的な任務だと確信するに至りました。
そして、現在最も大切なことは、大麻についての正確な情報の提供だろうと思います。しかしながら、NHKを始めとしてマスコミは、大麻について誤解や偏見を与える報道をしています。
1996年(平成8年)3月にNHKが「若者に広がる大麻汚染」と題する番組を報道しましたが、私はその番組内容の是正を求めて1996年(平成8年)10月に提訴しました。私がNHKに対して大麻報道の是正を求める裁判を起こしたのは、大麻について誤解や偏見をあたえる情報を是正し、大麻すなわち麻の有効利用を促進したかったからです。
私は、弓道の稽古を1990年(平成2年)からしていますが、そのなかで、弓の弦が麻即ち大麻で出来ており、弓を引いた時にでる音が弦音(つるね)といわれていることを知りました。 なお、この弦音を鳴らす儀式を神道では鳴弦の儀と呼び、悪魔ばらいや場を清めるために行われてきました。宮中でも皇太子が生まれたときに鳴弦の儀が行われたようです。麻即ち大麻が、日本の伝統的な社会において神聖なものとして位置づけられてきたことが、この儀式からも分かります。
大麻とは、縄文時代の古来より衣料用・食料用・紙用・住居用・医療用・儀式用に使われ、日本人に親しまれてきた麻のことであり、第二次大戦前はその栽培が国家によって奨励されてきた重要な植物であります。
ところが、第二次大戦後のアメリカによる対日占領政策で、大麻の栽培が一方的に規制された。占領政策の目的は、日本古来の文化を否定し、アメリカに従属する産業社会を作ることにあったと思われます。
日本人にとって罪・穢れを祓うものとされてきた大麻を犯罪として規制することは、大麻に対する従来の価値観の完全なる否定であります。また大麻は、自給自足型・環境保全型の社会にとって極めて有用な素材であり、これを規制し石油系の資材に頼る産業構造にすることは、アメリカに経済的にも従属する産業構造への転換を意味していたと思われます。
日本は、明治維新によって近代化の道を歩んだが、特に第二次世界大戦後は、戦後生活の建て直しということもあり、物中心の競争原理に立った経済活動を優先してきました。また、生活習慣も、例えば、 食生活が米からパンに変わり、畳の生活も椅子の生活に、薬の分野でもいわゆる化学的合成薬が取り入れられ、従来の東洋医学は軽視されてきたのであります。大麻は薬用としても何千年も使用され、日本薬局方にも当初から有用な薬として登載されていたにもかかわらず、大麻取締法の施行に伴って薬局方から除外されてしまったのです。
しかしながら、環境問題が深刻化するなかで、最近大麻の持つ環境上の有用性が、欧米各国や中国・韓国で注目されています。なお、アメリカでは建国当時は大麻の栽培を奨励したが、一九三〇年代になって石油系の化学繊維が開発され、大麻とその市場が競合することが、大麻を禁止した社会的背景であると思われます。
大麻の茎からは、環境上安全な紙及び建築材料、生分解性のプラスチックが生産できるし最終的にバイオマス燃料として活用できます。大麻の生育期間は非常に早く、半年程度なので、大麻からこれらを生産すれば、永続可能な状態で原料の供給ができ、地球の緑を守ることが可能となります。その結果、 地球温暖化対策にも有効であります。また、大麻の花穂は、副作用が大変少ない医薬品としても利用でき、大麻の種は栄養食品として極めて価値が高いものです。
そして、大麻産業は、日本における食料とエネルギーの自給自足、そして環境保全を可能にします。また、 過疎地域において環境保全型の産業を興すことで、地域社会の活性化をうながし、過疎問題の解決にも繋がる可能性があります。
日本における環境問題・食料問題・エネルギー問題・雇用問題に対する今後の課題としては、環境保全型・環境循環型で自給自足を目指した、経済・エネルギー政策の確立が挙げられます。そのためには、現在の環境破壊型の産業構造を転換し、農業・漁業・林業など、自然生態系に即した産業の現代 的回復が必要となります。だからこそ、日本企業の有する技術と設備を生かしながら、大麻産業を日本に現代的に復活させることの意義は大きいと思われます。
また、大麻から生産できる製品は、二万五千から五万にものぼるといわれています。大麻産業の活性化は、農業の育成と雇用確保にもつながります。従って、環境保全型・環境循環型社会の構築に向けて、その有力な素材である大麻の有効利用について調査研究し、その具体化を推進することは、極めて重要であります。
私は、麻の有用利用を推進するために、2001年12月3日に内閣総理大臣と厚生労働大臣に対して「大麻取締法の運用の改善と改正」を求める誓願(下記大麻を正しく考える国民会議のホームページで紹介してありますのでご覧ください)を出しましたが、その誓願の処理が現在まで全くなされていませんので、その誠実な処理を至急関係部局に指示していただきたいと思います。
私は、最近大麻取締法の運用の改善と改正を実現するために、有志とともに大麻草検証委員会を立ち上げました。大麻を正しく考える国民会議というホームページhttp://www.taimasou.jp/ もありますので、ご覧いただければ幸いです。